天雅日記令和版 

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のんのんばあとオレ(講談社文庫)

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最近では、水木しげるがマイブームなワタクシ。
 
この「のんのんばあとオレ」ですが、値段が安いこともあり、どこでも売り切れて居ます。

そのためわたくし、久々にアマゾンでお取り寄せ。
 
40の大人なら、きちんと高い小説版でも買えば良いんでしょうが、水木マンガの原画は非常に美しく、キャラは肩の力が抜ける独特のものがあるんですが、風景などの描きこみは素晴らしいです。
 
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※こんなことやったら、21世紀では大問題になりますよ、先生!!
 
加えて、本気になったときの水木先生の書き込みは常軌を逸しているので、可能なら漫画版が欲しいと。

そのため多摩地区を東奔西走しましたが、これがどこにも売っていない。
 
仕方が無く、パワスポの取材で行った調布駅前でも探しましたが、この本だけは売切れです。
 
21世紀の医療のみが発達し、その分人情が1/1億分くらいまで薄れはてる前の戦前のお話なので、死は常に隣に潜んでいます。
 
よくよく考えれば、ワタクシの同級生で心臓に持病が有った子も、10歳を前に死去しました・・・。
小学校1年のときに交通事故に遭い、その後何度も入退院を繰り返し、大半を家で過ごした子もいましたが、そのうちに僻地で療養と言う事になりましたが、治ったという話は最後まで聞けなかったねぇ・・・。
 
貧困で売られていく娘たち・・・。
お金は有っても死病だった肺病・・・。
 
命は簡単に失われ、その代わりに今よりも命を輝かせて生きているように見えますが、無力感に何度も打ちひしがれる水木少年の姿も垣間見えます。
 
しかし最高なのはお父さん。
当時の東大卒と言えば、ひろゆきに正面から議論で敗北した和代さん(慶応と早稲田を卒業)とは違いリアルにスーパーエリートですが、そのお父さんがどこか道楽者なため家計は乱高下を描きがち。
 
んでも、そのお父さんが、やはり達観しているため、失意の水木少年に語りかける姿は心を強く打ちました。
人間的にでかいんですよ、このお父さんが。
他の水木しげる作品では、頼りない父上の代名詞のように書かれていますが、本書のみかなり頼りがいのある素晴らしい父上として描かれています。
 
んでも、劇場の借金を、アッサリと父親(水木の祖父)に丸投げしようとしているところなどは、従来のままですがw。
 
捜し求めた本だったので、読み応えは上々です。ええ。