ケンソーのバクダンキットをDRZ400SMに装着する人は、大抵エアクリーナーボックスにも穴を開けるのだが、これは給排気系も変える場合である。
自分のように基本はノーマルで乗る場合には、そのようなことをすると温度や湿度の変化に対応しきれずエンジンの調子が悪くなるし、何よりも神仏に呼ばれていく山岳部ののどかな風景に爆音マシンが進入するのは許されない。
私の目線で言うと、ポップ吉村にも劣らない神の腕を持つバイク師匠の整備術で、なんなくバラされていく愛車ユニコ。
見た目とは違い、キャブが見えていてもクリアランスの関係上なかなか外れないのが最新の小型化されたマシンなので、KLX250のスカスカ具合とは違いすんなりとは外れないのである。
それでも世間話すらこなしながらキャブをばらし、樹脂製のピストンバルブの汚れをシリコンルーブメントを付けたウエスで丹念に磨く師匠。
めったにばらさない部分なので、ばらしたときにここも磨いておくと、アクセルのツキがスムーズになりいい感じさが増すそうな。
普通にどこかのパーツ屋さんで買っても、良くてせいぜいアクセルワイヤーとかダイヤフラムに注油して終わりらしい。
ジェットニードルをケンソー独自のものに換えて上部は終了。
そしてメインジェットを変えるべく、キャブの下部の4本のネジを外そうとするのだが、このうちの2本がまったく外れない。
シングルなので振動対策もあるのだろうが、ここまで硬い意味はまったく無い。
ショックドライバーの使用も打診するが、オールアルミのキャブにそんなことは好ましくないので、そのまま悪戦苦闘すること30分近く。
純正ネジ二本がメタメタになりようやくキャブの下部が開く。
その後はスムーズに装着が終わるのだが、問題はDRZ400SMの各クリアランスの狭さだろう。
専用品である純正キャブでもキツキツなのに、入ることを謳われている社外品では、かなり厳しいぞこれでは。
てか、信頼できるお店じゃないと、ここいらはお願いできないだろう。
見えないところだから、フレームにガンガン傷入れられるかもしれないし。ええ。
エンジンにとりあえず火を入れてみると、今までの冷温時のバラツキが解消し、全体的にスムーズである。
これで様子を見ることにし、睡眠時間の都合上そそくさと家路に付くワタクシ。
4月6日までは、ほとんど毎日添い寝していた彼女もいないので、今では布団が広くてよく眠れるのはナイショだ。
※ネジ二本は、師匠が適切サイズに調整してくれた新品に交換して装着しました。