天雅日記令和版 

パワスポと開運がメインのブログです

ちょと法律屋 百式事件第二部 31、代表として

ジャバザハットに似たサガットが、食堂に現れた自分たちを見て嬉しそうに微笑む。
放課後の狩り(モンハン)に来たと信じているらしい。

目顔でサガットを下がらせようとするが、この小僧は空気は読めない。
人の気持ちをまったく斟酌できない上に、自己都合はどこまでも優先するので、09年の7月には俺に絶縁されているほどである。

サガットに説明するのは面倒なので、とにかく神気を入れた酒を百式に飲ませることにした。

百式がこの酒を甘く感じれば、神様は百式を選んだのだから、俺はもうしばらくサポートを行う。
ただ、苦ければ、そのときは債権回収に入るし、以後のサポートも行わない。無論、携帯もPSPも没収である。

百式は、茶碗酒を手に取り、うまそうに飲み干す。
うまそうに飲み干したのだ。
聞くまでも無かったが味を聞くと、香り高く、甘い酒であったとのこと。

お供えのお酒や果物の味が変わることは良くあることで、それはそのお供え物を神霊が口にした証拠でもある。
高級な神霊が口にした場合には、味はまろやかで香り高くなり、不成仏霊が口にしたものなどはまずくて飲めたものではない。

そして香り高くはなるのだが、苦い味になるときもある。
こういうときは、わざわざ神様が来ては下さったのだが、その意見には否定的である場合である。

食事後、邪魔なサガットをさっさと帰らせ、百式と話し込む。
自信は無いが、労働者の代表として戦い抜くことを決めた百式

同じ境遇の派遣労働者の希望となることを受け止め、日本の産業界の、企業に都合の良い構造を変えるきっかけになることを選んだのだ。

弁護士も付けない低学歴の日雇い労働者が、日本有数の大企業相手に裁判で戦い抜き、その不正を暴いて行政処分まで求めていくことにでもなれば、企業のほうでもおいそれと派遣労働者を切ることは出来なくなる。

日本は判例がモノを言う社会で、今まではここまで戦い抜く労働者が居ないことからも、企業側はやり放題であった。

自分たちが関与できるようなレベルの組合では、シュプレヒコールを悲鳴のように上げるばかりで、政治に介入する喜びに溺れ、労働者全体の利益なぞ考えられない状態が続いている。
そういう戦術が有効な時代もあったが、それは正社員が大多数を占める時代であり、現代のように非正規雇用が中心の時代では、明日をも知れぬ労働者はただクビに怯えるばかりである。

肩書きも何も無いクズが、法の救済を信じて、ただひたすらに戦い抜く。

企業側からしてみれば、莫大な裁判費用も掛かる上に、イメージダウンは免れないし、行政処分まで来るのだから、同じような問題に直面した経営者なら、無駄な訴訟は避けるだろう。

判例さえあれば、少なくとも俺たちのような面倒な戦争は起きないのだから、ここで代表として戦い抜く気概を持たないと、これからの闘いはお話にならない。