天雅日記令和版 

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ちょいと法律屋 百式事件第二部 29、34さいのガキ

あれから3日が過ぎ去った。
百式からの連絡は特に無い。

派遣会社のほうには詳細を報告し、メールが使えなくなることなどから迷惑を掛けることは告げてある。
異議は聞く気は無いので、強硬な手段かも知れないが、俺のポケットマネーから出ている携帯で、作業長(百式)のくだらん手慰みで全員が撤退にでもなったら、悔やんでも悔やみきれない。

つーか、こんなことでクビにでもなったら、それこそ否王や飛脚の主張が正しいものになる。
「こんなことでクビになるようなダメな奴だから、ウチもクビにしたんです」ってな。

朝、百式と会うが、何も言っては来ない。

10時の休憩も同様。

昼の休憩も同じで、午後の一服も変わらなかった。

「謝られても聞く耳なんぞは持たない」それが今回のルールである。
百式派遣労働者の代表として戦い抜くだけの覚悟を持たなければ、こいつはまた同じミスを犯すはずである。

「俺はそんな立派な人間じゃないです」
この言葉で逃げを打つのは、俺はもう許さない。

通常訴訟というものは、法定代理人(弁護士)が主導で進めていく。
こちらの意見は、初期には聞き入れるが、後期には訴訟で都合の良い真実しか聞かないし、どうしても主張して欲しいようなことでも面倒ならば簡単に切り捨てる。

それが、この百式事件の場合には、最初から採算度外視で話が進んでいることからも、可能な限り百式の主張したいことを、準備書面(訴状)に盛り込んで戦っているのである。
しかも迅速に。

こんな贅沢な訴訟なんて、普通は行えないし、自分の意見がきれいに反映される準備書面なんてものは、まず有り得ないのである。
そこのところを「この骨の髄まで大作経の信者」は理解していないし、今回のチャンスも大作経を信じていたからだと公言し、俺を激怒させたことも何度かある。

俺のような占い師に言わせれば、戦い抜くチャンスを欲しがるものはそれこそ今の時代なら何百人も居るはずで、その白羽の矢に当たった者が身勝手な逃げを打つのはそのチャンスを捨てるのと同等である。

毒を食らわば皿までで、途中下車は許されはしないのだが、話がここまで大きくなったのだから、それこそ覚悟を決めて欲しいのである。

その覚悟とは、労働者の代表となる覚悟である。

別に政治家になれと言うんじゃない。
ただ、自分のような境遇に居るものたちのために、積極的に手を貸し、自分の経験を実例とした方策を示せるような人物になることを目指して欲しいのである。

なれなくてもかまわない。
でも、最初から自分自身の人間性を理由に、陰に潜むような今までと変わらない生き方を選ぶのならば、俺はもう手は貸す気は無いのである。

工場の裏門を出て、食堂へ向かう道すがら、百式がようやく口を開く。
その言葉は、俺に絶望を感じさせるものでしかなかった。