和解室では、原告側と被告側に別れて、それぞれ和解に付いての面談(審議)を判事(裁判長)と行うことになる。 まず原告を呼んで意見を聞き、原告の退出と入れ替わりに被告側の意見も聞き、それを加味して判事の和解案を双方に提示する。 これを何度か繰り返して、最終調整を行うのである。 しかし、20万円という金額に対し、電卓ジジイは初期の未払い分の46000円しか支払わないと告げ、金額に付いての譲歩は一切ナシ。 加えて和解の条件は飛脚側への告訴を取り下げることで、ようはどこまで行っても否王の和解案は嫌がらせ程度のものでしかなく、紛争を処理するのではなくこの長い争いをさらに激化させるものでしかない。 無論、飛脚便側の代理人は、和解案に付いての異論は一切無く、これを承諾するつもりとの見解だが、さすがに主犯格が46000円では飛脚側にもそれ以上の金額を提示することは困難である。
そのため、職権で和解を提示した判事も頭を抱えてしまったらしい。
苦そうにビールを流し込む百式。 20万円と言う金額は、百式にとっても奈落の底に突き落とされるほどの衝撃で、さらにそれを下回る電卓ジジイの嫌がらせにしか思えない和解案は、ダメ押しの追加攻撃でしかなかったらしい。 瞑目し、吟醸酒を口に含みながら考えをめぐらす俺。 立川には似合わぬ内装と新鮮な魚介で、適当な小娘ならすぐに口説ける霧笛屋での時間が楽しめないが、なんか引っ掛かるんだよなぁ。 無理な和解案や、嫌がらせにしか思えない和解案を提示し、さらにその和解内容は判事ですら頭を抱えるレベルなら、和解を拒否することも可能なはず。 ならば、その嫌がらせ和解案を逆手に取り、さらなるカウンターで否王を窮地に追い込むことも可能である。
なんだ、考えてみれば、取れる金が下がった分、さらに否王を追い詰めることが出来るだけじゃんか!
喧嘩という物は、勝てなきゃ避けなきゃならないし、始めたなら負けちゃ行けない物である。
さらに、やるならきちんとその目的が完遂されねばならないし、完遂できそうに無いのなら、別な支払いを強要させるだけである。
さらに、やるならきちんとその目的が完遂されねばならないし、完遂できそうに無いのなら、別な支払いを強要させるだけである。
25万(円)も値切ったみたいだが、支払い総額という名の損益は、その100倍は払わせてやるぜ。
待ってやがれよ、電卓ジジイ。
また、速攻で窮地に追い詰めてやるからよw。
また、速攻で窮地に追い詰めてやるからよw。