まったく秋らしくない9月15日。
受験まであと2ヶ月を切り、俺さま的には神経がピリピリである。
受験まであと2ヶ月を切り、俺さま的には神経がピリピリである。
久々の証言台なので、これも有って俺様はピリピリではある。
んでも今日はあの憎き電卓ジジイに一泡吹かせてやれるから、いい日になるのは間違いない。
んでも今日はあの憎き電卓ジジイに一泡吹かせてやれるから、いい日になるのは間違いない。
法廷にはなぜか先に原告側が通された。
普通は被告原告が、同時に五月雨式に入廷するものである。
その理由はすぐに分かる。
その理由はすぐに分かる。
飛脚便さんたら、10人以上の大所帯なんですよ。
まあ確かにこれで。ホールとかで揉めたら、ただでさえ遅延している審議がさらに遅れるから、正しい選択だろう。
まあ確かにこれで。ホールとかで揉めたら、ただでさえ遅延している審議がさらに遅れるから、正しい選択だろう。
最後に電卓ジジイに伴われ、八ヶ岳が入廷した。
裁判長が入廷し、双方の証人も証人席に移動する。
俺を見た電卓ジジイは少し驚いたようで、また居もしない守護霊様にでも聞くように中空を見る。
俺を見た電卓ジジイは少し驚いたようで、また居もしない守護霊様にでも聞くように中空を見る。
飛脚側の法務担当も俺が天雅だと知るとかなり驚いていたが、偽予想GUYは相変わらずの冷静さ。
一番驚いてたのは八ヶ岳で、驚きながらもこちらにガンを飛ばしている。
喧嘩にはハッタリが一番。 気合で勝てば実力が無くとも勢いで押し切れる。 含み笑いで見つめ返すと、気まずそうに八ヶ岳はうつむく。 こういうところで笑顔で返されると、相手の腹のうちは読めないから混乱を誘う。 喧嘩も戦争も、混乱したほうが負けである。 そして混乱のあとに的確に恐怖を与えれば、相手は実力は出せない。 証言台の真横で宣誓するのに、少し前に出過ぎていたので八ヶ岳の腰を引き「ここです、もう少し後ろですよYさん」
と以前と同様の優しい声で引き戻す。 八ヶ岳の混乱が手を通じて分かるが、俺は微笑である。 害意も悪意も無いのは明白なはず。 そして宣誓に入るが、宣誓文は同時に読み始めるが、最後の名前を名乗るのを証人は忘れることが多い。 案の定名前を忘れた八ヶ岳に対し、池波小説風に書くなら割れんばかりの大音声で、俺は名前を読み上げた。 「証人、天雅じゅん!!!」 遅れて 「証人、Y!」 黒のジャージにピンクのプリントが華やかな八ヶ岳だが、胴ぶるいが見て取れる。 顔色も悪い。 混乱を与えることについては、これで成功。 次は百式が打ち合わせどおりに、反対尋問で撃墜するだけよ。
そして俺の証言が始まった。