天雅日記令和版 

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ちょいと法律屋 百式事件第二部 54、ジャージはまずいよ、八ヶ岳・・・

まったく秋らしくない9月15日。
受験まであと2ヶ月を切り、俺さま的には神経がピリピリである。

久々の証言台なので、これも有って俺様はピリピリではある。
んでも今日はあの憎き電卓ジジイに一泡吹かせてやれるから、いい日になるのは間違いない。

法廷にはなぜか先に原告側が通された。

普通は被告原告が、同時に五月雨式に入廷するものである。
その理由はすぐに分かる。

飛脚便さんたら、10人以上の大所帯なんですよ。
まあ確かにこれで。ホールとかで揉めたら、ただでさえ遅延している審議がさらに遅れるから、正しい選択だろう。

最後に電卓ジジイに伴われ、八ヶ岳が入廷した。

裁判長が入廷し、双方の証人も証人席に移動する。
俺を見た電卓ジジイは少し驚いたようで、また居もしない守護霊様にでも聞くように中空を見る。

飛脚側の法務担当も俺が天雅だと知るとかなり驚いていたが、偽予想GUYは相変わらずの冷静さ。

一番驚いてたのは八ヶ岳で、驚きながらもこちらにガンを飛ばしている。

喧嘩にはハッタリが一番。
気合で勝てば実力が無くとも勢いで押し切れる。

含み笑いで見つめ返すと、気まずそうに八ヶ岳はうつむく。
こういうところで笑顔で返されると、相手の腹のうちは読めないから混乱を誘う。

喧嘩も戦争も、混乱したほうが負けである。
そして混乱のあとに的確に恐怖を与えれば、相手は実力は出せない。

証言台の真横で宣誓するのに、少し前に出過ぎていたので八ヶ岳の腰を引き
「ここです、もう少し後ろですよYさん」
と以前と同様の優しい声で引き戻す。

八ヶ岳の混乱が手を通じて分かるが、俺は微笑である。
害意も悪意も無いのは明白なはず。

そして宣誓に入るが、宣誓文は同時に読み始めるが、最後の名前を名乗るのを証人は忘れることが多い。

案の定名前を忘れた八ヶ岳に対し、池波小説風に書くなら割れんばかりの大音声で、俺は名前を読み上げた。

「証人、天雅じゅん!!!」
遅れて
「証人、Y!」

黒のジャージにピンクのプリントが華やかな八ヶ岳だが、胴ぶるいが見て取れる。
顔色も悪い。
混乱を与えることについては、これで成功。
次は百式が打ち合わせどおりに、反対尋問で撃墜するだけよ。

そして俺の証言が始まった。