忍者丹波大介の続編となる本作。
ネタばれになるとアレなんですが、本作品の主人公は今では有名な加藤清正。
ちなみに5年ほど前は、熊本出身の人に聞いても清正公はけっこう無名。
昨今のパワスポブームと歴史ブームで、近年とみにクローズアップ。
歴女からの視線もアツいです。
歴女からの視線もアツいです。
んで、関が原戦のあとの、清正公の微妙な立場を描ききっているのが、本作「火の国の城」。
賤ヶ岳の七本槍としてデビュー後、秀吉の子飼いとして活躍するんですが、官僚的な石田さんとは仲が悪く、朝鮮攻めでは讒言をバンバンやられて一時は秀吉に蟄居まで命じられ、これが元で関が原では西軍に反旗を翻しました。
んまあ、原因はそれだけではなく、石田さんの手腕では国家経営は難しいうえに、戦下手な大将なので豊臣家の存続を考慮して、やはり家康側に付いたんだと思われます。
んで、関が原後に掘られたのが、最近有名な清正の井戸。
ちょうどこのころのお話から、大阪冬の陣と夏の陣までの間の話が本作品です。
この作品を読むたびに、遠い熊本の地に思いをはせますが、なんせ都会の安サラリーマンではまとまった休みも取れないので未訪問。
恐らく風水的にも、絶好の築城をしていると思うんですよ。
そのほか、本作だと、もはや老境にある女忍びのお蝶が登場。
お蝶自体は「蝶の戦記」や「忍びの風」の主人公。
お蝶自体は「蝶の戦記」や「忍びの風」の主人公。
くノ一忍法帳のような、お色気ガンガン風味なセクシースパイではなく、あくまでも諜報活動に従事し、己の体術に誇りを持つプロの諜報員としての矜持を持つ、女忍びの老境が描かれています。
ちなみに福島正則の人生が描かれているのが、「忍びの女」。
こちらもお勧めです。ええ