第7回口頭弁論の3日前に、自分の陳述書とその証拠は出来上がった。
証拠説明書は、口頭弁論の3時間前。
そんなに遅れたのは単なる訴訟戦術で、早々と出してもどうせ被告たちから陳述書なんぞは出ないので、こちらだけバカ正直に手の内をオープンにする必要が無いからである。
訴訟戦術での遅延を望むのは、大企業と中堅企業の被告にとっては常套手段なので、こちらも君らの手法を真似させてもらいます。
文句は無いよなw。
文句は無いよなw。
広く配置された待合室には、飛脚便のいつものお二人ではなく、偉そうにふんぞり返る青いシャツを着た50くらいのオヤジがいる。
小山のような量感のオヤジだが、何よりも大企業の飛脚便の中でもさらにエライ人なのか、いつものお二人が、緊張のあまりに縮こまっているように見える。
そのガン飛ばしに対し、数万倍の怒りを込め、目で追うどころか、体まで向けて睨み続ける俺と百式。
剥きだしの敵意と、一触即発で八つ裂きにでもしかねない害意を含んだ視線に耐え切れず、目を逸らす電卓ジジイ。 やっぱり小物だな、このオヤジはよ。 緒戦で勝ちを拾ったので(ガン飛ばしでは圧勝)、意気揚揚と口頭弁論に出向くが、またしても空振りに終わる。 その理由は本日が証拠調べではないのを勘違いしていたのもそうなんだが、こともあろうに否王の方では最大の加害者である「八ヶ岳とは伝聞でしかやり取りしていない」
ので、もう少し時間が欲しいと電卓ジジイが打診してきたのである。 てか、お前、伝聞でしかやり取りしていないのに、あんなに強気だったのかよ? まともな法律家なら、怖くて出来ないだろ、そんな手法はよ!
その打診に対し、なぜか原告側の席にどっかと座り込んでいた50近い親父の体温が、怒りのためか上昇していた。
「お怒りですわよ!!下請けの優秀な弁護士先生の見事な法廷戦術の冴えに、長年下請けで否王を使ってやっていたのに、この裁判に巻き込まれてしまった被害者にも近い飛脚便さまの、それもかなりお偉いお方がー!!」
俺、知ーらないw。