天雅日記令和版 

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9月13日 ちょいと法律屋(4) 影響拡大

 月々の支払いに対する備えなど、百式は持ち合わせていない。
某飛脚便の夜間仕分け業務に来るような人材は、押しなべて週払いや日払いだから、この業務に来るのであり、明日のことなど深く考えないようなものが大半である。

ただ百式は、そのような人材の中でもまだ多少の蓄えはあった方なのだが、祖母が倒れたことに始まり、実父の入院やその後の葬儀、加えて購入予約をしてあった分譲マンションの支払いなどで、一時的に資金繰りがきついときにこの失職である。
さらに、同居の叔父の失職も、百式の経済事情に暗い影を落としていた。

無論、百式も、夜間業務の給与から考えれば、仕分けセンターの直近にあるサウナに泊まり、コインランドリーで洗濯をするくらいは可能だったが、前述のような資金難の折である。

さらに、元来、このように睡眠時間すらも惜しいほど多忙な状態であれば、人間は削れるところから時間を削っていく。

百式の場合には、それは洗濯と入浴であったのだが、これも某飛脚便がきちんと労働基準法に基づいた程度の残業であれば、このぐらいの時間などは容易に確保できたのである。

大体、某飛脚便の拘束は、12時間を越え無ければ残業とはみなされず、加えて毎日30分以内の残業は当然で、30分を超えなければ残業代は支払われない。
他の企業が、残業に突入すると、多少はテンションが落ちるか、スピードを落とすのに、この某飛脚便は、逆にヒートアップし、何とか29分以内に業務を圧縮して終わらせようとするのである。

さらに百式は、このころでは、多数の契約外業務に携わっており、その中でもクール便の仕分けに関わったことで、この業務が出来る人員の少なさからさらに終わりの無い残業に付き合わされ、このことと祖母の介護により、急速に日常生活に支障が発生し始めたのである。

しかし、それほどまでに貢献していても、人員の使い捨てが常態の否王グループでは、解雇の撤回はなされない。
仮に八ヶ岳の態度に異を唱えたところで、本社のお気に入りの八ヶ岳の証言と、10年勤務していたとはいえ、一介のバイトでしか無い百式の抗議とでは、否王は八ヶ岳の言葉を信じ、百式の意見なぞは聞き入れないはずである。

人はバンバン入ってきて、瞬きする間に逃げていく。
根性ナシには勤まらないが、普通の新人はすぐに辞めるため、まともに教育なぞはしてられぬ。
ただ、それでも食い詰めたようなやつは、それこそ毎日入ってくるのである。
使い捨てにされるとも知らないで。

組合で勉強していた叔父は、解雇予告手当てが請求できると主張したが、それも焼け石に水である。
派遣である百式では、もしも某飛脚便の社員からの苦情により、この解雇がなされていたのであれば、反論は難しいし、労働基準監督署に言っても裁判をしても無理だとしか思えなかったのである。

続きは明日。

※某飛脚便はアマゾンさんと提携しています。