天雅日記令和版 

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ちょいと法律屋 百式事件第二部 75、電卓の思いやり

未だに振込みが為されていない事を告げると、電話の向こうで電卓ジジイまでもが驚いていたらしい。
違法金融の迎撃戦には有能な電卓ジジイなので、こういう場合の常套句は充分に理解してはいたらしいが、表向きのスペックではどこまでも素人でしかないこちらが、目黒の民事21執行部まで知っていたのには愕然としていたらしい。

無論、目黒への来訪目的は、否王の取引口座複数に対しての半月ほどの凍結である。

ガンダム0083ではデラーズフリートが、ブリティシュ作戦に比べれば少数の戦力でコロニー落しを敢行したが、それと同様の効果を挙げる戦術が今回の口座凍結である。


わずか30万円の債権の未払いで、口座が凍結されて年商87億円の企業が倒産したらそれこそ伝説である。
しかも中年派遣社員の、低学歴バカ二人組とさんざん裁判で私財を浪費して負け続け、その挙句にお得意様も巻き込んで行政処分を喰らい、さらに経営的にも口座のロックで資金繰りに行き詰った挙句の倒産では、投資家から融資を受けるのも不可能である。

その地獄絵図は電卓ジジイにも充分に想像できたため、ここで初めて人間らしい思いやりを電卓ジジイが見せ始めた。
それは、そこまでお金に困っているなら私が立て替えるから、それだけは待ってくれというお願いだった。

ごめんね電卓ジジイ、軍師の俺は君のことも嫌いなんだよ。
まとめて地獄に落ちてくれ。
虎落笛が聞きたいんだよ、君たちのさw。