3回目となる地裁への来訪も、たぶん今日が最後となる。
なぜなら、通常の弁護士の予想以上の早さでこちらが準備書面での対抗主張を行うことから、被告側の戦意も頓挫するだろうし、なによりも被告側の牛歩戦術が浮き彫りにされることから、審議自体が終わる可能性が高いからである。
まあ、当たり前だろう。
3日前と1日前に送付された回答書への反論が、こんな短期間で出るなんてことはまずないし、素人が原告であることを加味すれば、早くても3週間はかかるのが普通だから。
3日前と1日前に送付された回答書への反論が、こんな短期間で出るなんてことはまずないし、素人が原告であることを加味すれば、早くても3週間はかかるのが普通だから。
小法廷の廊下には、早くもあのコータリンに似たやり手の弁護士が、飛脚の法務担当とおぼしき2人組と現れる。
あちらも勝利を確信しているようで、不敵な自信を猥躯にみなぎらせている。
吠え面かくなよ、コータリン。
が、しかし、訴訟が始まり5分がたつが、審議は始まらない。
来ないのである、もう一人の被告側代理人の電卓ジジイが。
書記官が否王の弁護士事務所に確認を取ると、どうやら時間を間違えていたらしい。 実際の開廷時間の10分後だと勘違いしていたようだが、否王の弁護士が現れたのはさらにその15分後・・・。 えーと、やる気がないのなら、早く自分たちの落ち度を認めて欲しいんですけども。ええ。 つーか、あんた、前回の終わり間際に、あんだけ裁判官に食ってかかっていましたよね? それが遅刻かい。
話にならんわ。
混乱を隠せないままに否王の弁護士(電卓ジジイ)は、被告人席に座る。
さあ、戦闘開始である。
さあ、戦闘開始である。